先日1/25に豊橋市中央図書館で借りてきた「人はなぜ形のないものを買うのか」、今日午前0時過ぎに読了。
2008年10月初版発行。もう5年ちょっと前の話であり、故にたとえなどで挙げられている事例もその2008年当時の雰囲気を反映したものになっていた。もうこの頃から5年も経っている。
書籍自体は、探りながら書いているような状態で、必ずしもまとまった文章ではなかったものの、色々な例を挙げて、主にオンラインゲームとコミュニティという視点から書かれていた。その後などにネット各所で書いておられた文章は、その後に筆者のなかで固まっていった部分もあったのかもしれない。
■ゲーム内通貨と現実の通貨との金融経済的な側面
終盤、”RMT”の話が、最近話題の”ビットコイン”を想起させて興味深かった。そう、既に仮想世界であるネットゲーム世界で使用可能な通貨やゲーム内での活動が、現実世界の通貨や労働とリンクして交換されていたという事実。しかもその市場規模が、マネタイズの難しいゲーム本体に匹敵するような大きな規模ともなっており、その扱いをめぐってユーザ・運営社・RMT業者らの間で衝突があったという。
特に、仮想世界のゲーム内通貨が、世界各国の通貨と独自のレートで交換される点や、ゲーム通貨はその性質上永続的に運営し現実の通貨と交換を保証するものでも無い点などなど、ビットコインが持つ闇の部分など色々リンクしていそうな感じで、色々考えると面白いかもしれない。現実の通貨間のレートとゲーム内通貨のレートとの裁定取引などでも交換レートによっては利益を挙げることも出来ていたのかもしれない。
■仮想世界の特性とマネタイズ
仮想世界には、現実世界には存在する様々な制約がほとんど無い場合があり、しかし簡単に供給できるからといっても適当に供給すると現実世界と同様に需給ギャップからインフレ/デフレになったりする。仮想世界そのものには、そもそも根源的な欲求が無く、いつでも簡単にその世界に来ることを止めてしまえる。そういう利用者に対して、仮想世界における欲求を持ってもらい、それに応える供給、公平な運営、など細部を設計し運営する。
仮想世界に参加してもらい、維持し続ける様々について、色々具体的な調査などをもとに記述されていた。色々見聞きしたような話でもあるものの、これらの内容、まだ僕自身十分咀嚼できていないような気もする。図書館、色々ネット関連の書籍が充実しててびっくりした。随分前に図書館でみたときはあんなに書籍は充実しておらず、古いコンピュータの話が書かれた書籍ばかりが並んでいた印象があった。ネットも成熟してきて色々な考察がなされ、普遍的な内容も増えつつある故なんだろうな。精文館で本の背表紙は見たことがある書籍も多かったけど、実際なかなか書籍をゆっくり読んだりしてないので、少しずつ読んで勉強してこうと思ってる。
